サービスの流れ

サービスの流れ

Fab抗体作製の作業概要

Fab抗体作製の作業概要

まずはプランニングから

抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスは、お客様より抗体作製のご依頼を頂くと、最初のステップとして抗体作製のプランニングを行います。 お客様の使用目的に適した抗体を作製するために、抗原の特徴や抗体のご使用目的などをお伺いいたします。

次に、取得する抗体の目的に応じた抗原デザインを行い、抗原のタイプや抗体の用途に合わせた戦略的セレクションの方法を、プロセスの全体にわたって経験豊富な担当者からご提案させて頂きます。セレクションの例は、こちらの事例紹介もご覧ください。

プランニングには、抗体作製オプションや候補抗体の評価基準についてのディスカッションおよび最適な抗体の形式やタグの選択についてのご提案までが含まれております。抗体のフォーマットの使い分けやタグの組合せにつきましては、こちらのダウンロードサイトの製品説明書もご覧ください。

プランニングのご提案内容

抗原

お客様の研究に適した抗体を作製するために、実験の背景や用いる抗原について伺い、パニングに適した抗原をデザインいたします。抗体職人で使用する抗原は、in vitro でスクリーニングをおこなうという特性上、抗原を固定する必要があります。固定するための要件や、必要量、純度につきましては、こちらをご覧ください。
Antigen-Requirements(Download PDF 3MB)

パニング

パニングは、抗体提示ファージライブラリから抗原に結合するファージを選択し、結合したファージは独自の技術 CysDisplay® を利用して回収され、このような抗原に対するセレクションを3ラウンド行います。 お客様が求められる特異性をもつ抗体をセレクションするために、3ラウンド行われるパニングの内、それぞれのラウンドで異なる処理を行う等のプランをご提案いたします。 例えば、3ラウンドの間に異なる抗原に対してパニングするプランや、結合して欲しくない部分を陰性対象としてブロックしながらパニングするプラン等をご提案いたします。

スクリーニングELISA

パニングで絞り込まれたファージを、ご希望のFab抗体のフォーマットやタグに合わせて選択された発現ベクターへサブクローニングし、抗体遺伝子を大腸菌で発現させます。そのライセートや精製抗体を用いて、抗原に対するELISAを行います。
抗体の使用目的により、Fab抗体のフォーマットやタグの組合せについてご提案いたします。 また、スクリーニングでの選択/除外基準をご提案いたします。

シーケンシング

スクリーニングELISAにて陽性となったFab抗体クローンは、クローンに重複がある可能性があるため、ランダムに選択したクローンのシーケンシングを行い、クローンに重複がないようにします。
抗体をより多く取得し、お客様で行うアッセイにて抗体の絞込みを行う場合には、予めシーケンシングするクローン数を多くすることをご提案いたします。

候補抗体

スクリーニングELISAで納品基準を満たし、シーケンシングがユニークなFabフォーマットの抗体を候補抗体といいます。 スタンダードな抗体作製の料金ではシーケンシングするクローンの上限が10クローン、納品する候補抗体の上限が5クローンとなっております。しかし、より多くの候補抗体を評価されたい場合は、追加料金でシーケンシングするクローンの数や納品する候補抗体の数を増やすことができます。抗体の使用目的に応じて、推奨する候補抗体の数などについてご提案いたします。

最終抗体

候補抗体の中からお客様にお選び頂いた抗体を最終抗体といいます。 スタンダードな抗体作製の料金では、最終抗体を 1mg 無料で納品いたします。追加料金で、最終抗体の数や生産量を増やすというご要望にもお応えいたします。 また、抗体のフォーマットはFab断片一価もしくは二価から選択可能です。さらに、抗体に各種タグを付加したり、アルカリフォスファターゼ等との融合タンパク化することも可能です(一部オプションとなります)。 さらに、Fabのフォーマットから免疫グロブリンのフォーマットへの変換も承ります。抗体の使用目的に応じて、推奨するフォーマットについてご提案いたします。

抗体フォーマットの選択

Fab抗体フォーマット・タグの組合せ

抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスのスタンダードな抗体作製でご依頼頂いた場合、Fab抗体フォーマットとタグの組合せは下表からお選び頂けます。
表以外の組合せやアプリケーションによるFab抗体フォーマットの使い分けは、こちらのダウンロードサイトの製品説明書もご覧ください。 また、表に含まれないフォーマットの抗体がご希望の場合は、ベクター構築料が別途必要となりますのでお問い合わせください。

フォーマット 精製用タグ その他
1価
His Myc
Myc(Thrombin Cleavage Site 入り)
FLAG®
Strep FLAG®
FLAG®(重鎖-軽鎖間に S-S結合)
2価
His Myc
FLAG®
AP-FLAG®
Strep Myc
AP
AP(重鎖-軽鎖間に S-S結合)
FLAG®

Fab抗体のIgA, IgE, IgG, IgMへの変換

抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスで作製された抗体の遺伝子は、モジュール化されているため、幅広い抗体のフォーマットを選択可能であることはもちろん、様々なタグを付加したり、様々な相手との融合タンパク質を作製することが可能です。候補抗体が決定されれば、Fabのフォーマット変更や別の免疫グロブリンアイソタイプへ容易に変換できます。

Fc領域が必要な場合、候補抗体のFabを全長のヒト、ヒト-マウスキメラ、あるいはヒト-ラットキメラの形に変換し、10週間以内に精製IgG分子をお届けいたします。ご希望の定常領域とともにVHおよびVL領域の遺伝子をベクターにクローニングした後、軽鎖および重鎖のベクターを哺乳類細胞へ同時導入し発現させます。

<Fc領域>

ヒト

  • IgA
  • IgE
  • IgG1, IgG2, IgG3, IgG4
  • IgM

マウスまたはラット

  • IgG1, IgG2a

お見積り

お客様とご相談しながら、抗体作製のプランニングを行い、作業内容を決定いたします。また、納品時の抗体のフォーマットを選択頂きましたら、その作業内容に沿ったお見積りをご提示いたします。概算費用については、価格のページをご参照ください。

サービス開始の前に

秘密保持

ジーンフロンティアでは、最初のご討議からプロジェクトの完了に至るまでの全ての情報に関して秘密保持をお約束しております。これは最終的にご契約に至らなかった場合でも同様です。

ライセンス関連

抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスで作製された抗体およびその付随物は全てin vitroでの研究用途に限定してデザイン・開発され、お客様にはこの限定された用途のためにご提供させて頂いております。その他の用途でのご使用、商業目的でのご使用をご希望の場合はお問い合わせください。

排他的供給

抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスで作製されたカスタム抗体や大腸菌・哺乳類細胞発現クローンは、ご注文頂いたお客様以外には提供されません。これらは少なくとも5年間保存されます。抗体やお客様からのご注文時の情報に関して、許諾なしに第三者に提供することはございません。

抗体クローンの帰属

抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスで作製された大腸菌クローンの所有権はAbD Serotec, A Bio-Rad Companyが有しております。

試料および用途特許の帰属

お客様から抗体作製のためにご提供頂いた試料に関する全ての権利はお客様に帰属いたします。抗体職人のモノクローナル抗体作製サービスで作製された抗体を使用してお客様が取得された用途特許はお客様に帰属いたします。