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Q1:ファージディスプレイ法による抗体作製技術は動物を使わないのですか?
はい、そうです。ファージディスプレイ法は大腸菌とこれに感染するファージを使って抗体を作製する方法です。AbD Serotec, A Bio-Rad Companyのファージディスプレイ技術では、人工的にヒト型のモノクローナルFab抗体を作製します。
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Q2:他のファージディスプレイ法との違いはなんですか?
ライブラリの作製コンセプトおよび手法が違います。ヒトの抗体の構造・配列を解析し、ヒト抗体のルールに則って人工的にDNAから合成した質の高いライブラリを構築しております。
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Q3:抗体作製に必要な期間はどの程度ですか?
抗原のスクリーニング開始から最短7週間です。マウスを用いたモノクローナル抗体作製法に比べ、より短期間で作製することが可能です。
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Q4:作製される抗体の基準は?
ELISAによって特異性を確認します。抗原のかわりにBSA (Bovine Serum Albumin) などを入れたウェルの反応値をバックグランドとして、その5倍量以上の値を示した抗体 を納品させていただきます。この基準を満たす抗体が得られない場合は、費用をお支払いいただく必要はありません。但し非常に難易度の高いプロジェクトの場合には返金不可のデポジットをお願いする場合がございます。
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Q5:低分子化合物に対する抗体作製の実績はありますか?
ございます。詳細はお問い合わせ下さい。
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Q6:脂質に対する抗体作製の実績はありますか?
タンパク質抗原の、脂質修飾の有無を見分ける抗体、といった実績があります。
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Q7:AbD Serotec, A Bio-Rad Companyのファージディスプレイ法で難しい対象抗原はありますか?
糖鎖を抗原とした場合、抗体を得る確率は下がります。詳細はお問い合わせ下さい。
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Q8:抗体作製が不成功に終わる場合、その主な理由はなんですか?
一般的な理由は見出し難い状況です。但し、通常のスクリーニングで抗体が得られなかった場合、スクリーニングの条件を変える、もしくはスクリーニングを再度繰り返すことで新たに抗体が得られる可能性もあります。
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Q9:AbD Serotec, A Bio-Rad Companyのファージディスプレイ法で得られた抗体の親和性を教えてください。
親和性は対象抗原により大きく変動するため、一概に言えません。詳細はお問い合わせ下さい。
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Q10:抗原を提出する手順はどうすればいいのでしょうか?
まず、弊社からお送りする抗原情報確認書に抗体作製サービスに必要な最低限の情報をご記入いただきます。さらに確認が必要な事項に関しては、弊社および営業・マーケティング協力先の担当者がご連絡をさしあげます。その後、弊社宛てに抗原サンプルを発送していただきます。
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Q11:どんな抗原をどれぐらい提出すればよいのですか?
抗原として、タンパク、ペプチド(通常15-20アミノ酸を推奨させていただいております)、ハプテンなどをお送りいただきます。ご提供いただく量はそれぞれ、タンパクの場合は0.5mg(精製度80%以上)、 ペプチド・ハプテンの場合5mg (精製度90%以上)です。 ペプチド・ハプテンの場合はキャリアタンパクとのカップリングが必要となります。ペプチドの配列をご指定いただく場合、その溶解度をご確認いただきます。PBS bufferに10mg/ml以上溶解できることが目安となります。溶けにくい場合はDMSOを加えていただくことになりますが、溶解度が低い場合は配列構造からご相談させていただく場合がございます。 詳細はお問い合わせください。
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Q12:ペプチドのカップリングに使うタンパクは?
BSA(Bovine Serum Albumin)とTRF(transferin) を用いております。他のタンパク質、例えばマウスを用いたモノクロ-ナル抗体作製方法に頻用されるKLH (keyhole limpet hemocyanin)は、Morphosys社のスクリーニングプロトコールに則った場合、抗体作製の成功率が低くなるため、上記の2種類を用いております。
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Q13:抗原の調製からお願いできますか?
タンパク抗原の発現サービス、ペプチドの合成サービス等のオプションサービスがございます。
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Q14:cDNAからでも抗体を作製できますか?
1ug のcDNAをお預かりして部分的なタンパクを合成するオプションサービスがございます。cDNA鎖長としましては、450〜900baseを推奨させていただいております。
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Q15:cDNAの調製もしていないのですが?
塩基配列のみをご提出いただき、cDNAクローニング・タンパク合成を行なうオプションサービスがございます。
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Q16:Fab抗体って何ですか?
完全抗体分子からFc領域を取り除いた部分です。AbD Serotec, A Bio-Rad CompanyのFab抗体は、完全抗体分子(IgG)と同程度の結合活性をもつ2価のFab抗体を人工的に作製することが可能です。さらに、各種タグに対応するアミノ酸配列の導入・アルカリフォスファターゼとの融合も非常に簡単に行なうことができます。もちろん、Fc領域が必要な場合には、オプションサービスとしてFab抗体から完全抗体分子(IgG)を作製することも可能です。
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Q17:提供される抗体のフォーマットを教えてください。
特にご要望がなければFab抗体領域を二つ持つF(ab)2[二価]でお届けします。ご要望がありましたら一価でのご提供も無償で対応させていただきます。ご注文の最初にご相談下さい。
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Q18:Fab抗体はどんなアッセイに使えるのですか?
AbD Serotec, A Bio-Rad CompanyではELISA, IHC (Immunohistochemistry), Westernに加えて、FACS,IP (Immunoprecipitation) での使用実績があります。
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Q19:AbD Serotec, A Bio-Rad CompanyのQC ELISAで利用している二次抗体は何ですか?
Horseradish Peroxidase-conjugeted Goat Anti-Human IgG, F(ab’)2 fragment specific (minimal cross-reaction to Bovine, Horse, and Mouse Serum Proteins) Jackson ImmunoResearch社 #109-036-097 当該二次抗体の国内取扱代理店は以下の通りです。
- 岩井化学薬品株式会社 TEL:03-3241-2570 FAX:03-3270-2960
- 生化学バイオビジネス株式会社 TEL:03-3537-7913 FAX:03-3537-9061 E-mail:shiyaku@seikagakubb.co.jp
- 和光純薬工業株式会社 試薬お問い合わせ:https://www02.wako-chem.co.jp/cgi-bin/syk-enquiry/form.cgi
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Q20:届けられる抗体のタグについて教えてください。
本サービスでご提供する抗体は全てタグ付きでお届けします。標準ではMyc並びにHisをつけておりますが、その他ご要望に応じてStrep, FLAG, Alkaline Phosphataseとの融合タンパク質としてのご提供が可能です。詳細は、ご相談下さい。
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Q21:In vitro research use onlyの試薬として得られた抗体を、医薬品候補として開発することはできますか?
本サービスで使用している技術は独MorphoSys社およびAbD Serotec, A Bio-Rad Companyの使用制限が掛かっております。当該技術から得られた抗体は医薬としての開発ができない場合がありますことをご了承ください。また、医薬としての開発が可能な場合でも別途契約が必要となります。詳細は、ご相談下さい。
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Q22:得られた抗体のファージ、配列情報または生産株をもらえますか?
生産株の譲渡には、別途契約が必要です。
抗体の配列情報については、1抗体につき30万円(税抜)で開示するオプションがございます。 -
Q23:基本サービスで得られた抗体のクローンはどのくらいの期間保存されているのでしょうか?
最低5年間保存されます。その間はいつでも追加生産のご要望にお答えします。さらに長期保存のご要望があれば、ご相談下さい。
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Q24:抗体遺伝子そのものの権利について教えてください。
AbD Serotec, A Bio-Rad Companyのファージディスプレイ法は、人工的に配列から設計されています。また技術そのものが特許となっていますので、抗体自体の権利はAbD Serotec, A Bio-Rad Companyのものとなります。一方、用途特許はお客様で出願していただくことが可能です。
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Q25:ファージディスプレイの特許関係はどうなっていますか?
AbD Serotec, A Bio-Rad Companyは、ファージディスプレイ法の大元のライブラリ(抗体配列の設計)と抗体提示手法に関して独自の特許を保有しております。またその他本事業に必要な技術に関して、必要に応じてクロスライセンス等の契約しており、安心してご利用いただけます。
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Q26:実績について教えてください。
論文実績をご覧下さい。国内からの論文実績もあります。
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Q27:膜タンパクに対する抗体作製の実績はございますか?
膜タンパクの一部の領域を選択し、そのペプチドに対しての抗体作製実績がございます。抗体医薬の契約では、プロテオリポソームに対しての抗体作製、セルパニングによる抗体作製の実績がございます。また、細胞外ドメインを強制発現させて、可溶化した抗原に対しての抗体作製実績もございます。
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Q1:ヒト由来のタンパク質など大腸菌以外のタンパク質も合成できますか?
PUREfrex®は、大腸菌由来の翻訳系を再構成したタンパク質合成系ですが、哺乳類、植物などの高等真核生物由来のタンパク質も合成できます。ただし、GC含量、マイナーコドンの出現頻度などの核酸の配列により、タンパク質合成効率が低くなる傾向があります。様々なタンパク質を合成した例もありますので、こちらも参照ください。
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Q2:PUREfrex®でのタンパク質の合成量は?
合成するタンパク質に依存しますが、例えば、キットに付属のコントロール鋳型DNAであるジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)は、PUREfrex®1.0の場合、反応液1mLあたり約150μg、PUREfrex®2.0の場合、反応液1mLあたり約600μg、合成できます。
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Q3:PUREfrex®で合成できるタンパク質の分子量は?
数残基のペプチドから、約100kDaの分子量のタンパク質も合成できます。β-Galactosidaseを合成した例もございますので、こちらも参照ください。
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Q4:推奨反応温度と反応時間は?
37℃で2~4時間の反応を推奨しています。
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Q5:タグを付加させたタンパク質は合成・精製可能ですか?
PUREfrex® に含まれる全てのタンパク質には、精製・検出用のタグは付加されていません。そのため、ヒスチジンタグ(His tag)を含む全てのタグ配列が使用可能です。例えば、His tagを付加した DHFR を PUREfrex® で合成後、金属アフィニティ樹脂で精製した例もございますので、こちらもご覧ください。
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Q6:合成されたタンパク質は、糖鎖修飾やリン酸化などの翻訳後修飾はされますか?
PUREfrex®は翻訳に必要な因子のみを再構成したタンパク質合成系のため、リン酸化などの翻訳後修飾はされません。
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Q7:分子シャペロンは含んでいますか?
PUREfrex®は翻訳に必要な因子のみを再構成したタンパク質合成系のため、Hsp70やHsp60などの分子シャペロンは含みません。ジーンフロンティアでは、PUREfrex®でのタンパク質合成時に添加してお使い頂ける、分子シャペロンも発売しております。分子シャペロンの製品と利用例に関しては、こちらをご覧ください。
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Q8:ジスルフィド結合を有するタンパク質を合成できますか?
タンパク質の活性にジスルフィド結合が必要な場合には、PUREfrex®1.0あるいはPUREfrex®2.0に添加剤のDS supplement(製品番号 PF005-0.5)を添加してお使いください。SS結合が複数個所存在するタンパク質の合成例に関しては、こちらのポスターもご覧ください。
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Q9:膜タンパク質は合成できますか?
膜タンパク質も合成はできますが、ほとんどの場合、合成された膜タンパク質は凝集します。PUREfrex®反応液に、リポソームなどの脂質成分を添加して膜タンパク質を合成することにより、脂質成分に組み込まれた膜タンパク質を合成できる場合があります。
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Q10:[35S]メチオニンや[3H]ロイシンなど放射性同位体で標識されたタンパク質を合成出来ますか。
[35S]メチオニンや[3H]ロイシンなどの放射性同位体を含むアミノ酸を合成反応液に添加して合成することにより、放射性同位体で標識されたタンパク質を合成できます。なお、PUREfrex®1.0には、20種類の天然アミノ酸が、それぞれ終濃度で0.5 mMとなるように含まれています。
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Q11:T7プロモーター以外のプロモーターは使用できますか?
PUREfrex®の反応液には、転写酵素としてT7 RNAポリメラーゼが含まれていますので、T7プロモーターを付加した鋳型DNAの使用を推奨しています。他のプロモーターを使用する場合は、そのプロモーターに対応したRNAポリメラーゼを添加して反応してください。
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Q12:ポジティブコントロールのDHFRが合成されない場合の原因は?
PUREfrex®の反応液は、反応チューブを直接加温するヒートブロック又はウォーターバスで反応させてください。気相の恒温槽(培養用恒温器など)で反応すると、反応液の温度の上昇に時間がかかり、合成量が低くなります。
キットの構成成分が失活している可能性があります。失活を防ぐために、キットは適切な温度で保存してください。また、溶液を分注することにより、凍結融解の繰り返しはできるだけ避けてください。
ヌクレアーゼが混入している可能性があります。ヌクレアーゼの混入を防ぐためには、ヌクレアーゼフリーのチューブ、チップ、試薬を用い、手袋やマスクを着用して実験を行なってください。
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Q13:DHFRは合成されるが,目的のタンパク質が合成されない、または合成量が低い場合の原因は?
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キットの構成成分が失活している可能性があります。失活を防ぐために、キットは適切な温度で保存してください。また、使用後、残りの反応液を保存する場合は、凍結融解の繰り返しを避けるために、溶液を分注してください。
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ヌクレアーゼが混入している可能性があります。ヌクレアーゼの混入を防ぐためには、ヌクレアーゼフリーのチューブ、チップ、試薬を用い、手袋やマスクを着用して実験を行なってください。プラスミド DNA の精製に用いるキットの種類によっては、精製 DNA に、RNase が混入してくる場合がありますのでご注意ください。詳しくは、こちらをご覧ください。
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鋳型 DNA の配列が適切ではない可能性があります。PUREfrex® で使用する鋳型 DNA には、T7 プロモーター、リボソーム結合部位(SD 配列)、開始コドン、終止コドンが必要です。また、転写産物が二次構造を形成して翻訳反応を阻害する場合があります。鋳型 DNA の設計に関する詳細は、こちらをご覧ください。
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Q14:タンパク質合成に影響を及ぼすファクターはありますか?
<pHの影響について>
PUREfrex® 1.0 の反応液は、pHが7.5付近になるようにバッファーが添加されています。そのため、酸やアルカリを添加される場合には、反応液のpHが中性付近になるように調整してください。<カリウムイオンの影響について>
PUREfrex® 1.0 の反応液中の終濃度が10-20mMの範囲でしたら、タンパク質の合成量に影響はありません。<マグネシウムイオンの影響について>
PUREfrex® 1.0 反応液中の終濃度が数mM程度でしたら、タンパク質の合成量にあまり影響はありません。<EDTAなどのキレート剤の影響について>
PUREfrex® 1.0 反応液へのキレート剤の添加によるマグネシウムイオンの減少は、タンパク質の合成量に非常に影響を与えてしまうため、できるだけご使用を避けてください。<その他の2価カチオンの影響について>
PUREfrex® 1.0 反応液中の終濃度が10mM以上になると、タンパク質の合成量が減少する場合が多いため、できるだけご使用を避けてください。<DMSOの影響について>
PUREfrex® 1.0 反応液中の終濃度が数%程度でしたら、タンパク質の合成量に影響はありません。<グリセロールの影響について>
PUREfrex® 1.0 は、終濃度1.5%のグリセロール存在下でタンパク質の合成が行われています。グリセロールを添加される場合、反応液中の終濃度が5%以下であればタンパク質の合成量にほとんど影響はありませんが、高濃度のグリセロールはタンパク質の合成を阻害します。 -
ご注文方法について
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納期について
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追加注文について
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製品について
各製品についてもっと詳しく知りたい方は、各製品ページをご参照ください。
カタログや事例紹介もこちらからご覧いただけます。
その他ご不明点につきましては、お問い合わせフォームよりお問い合わせください。 -
お見積について
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会社について
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採用について
現在、人材の募集は行っておりません。
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Q1:反応液へのDNA添加量について
プラスミドやPCR産物に関わらず、DNAは、1kbpあたり0.5-3 ng/μLになるように添加ください。
PUREfrex反応液に添加するDNAは、分子数(モル濃度)が基準となっており、最終濃度が 2nM 前後となるように添加してください。例えば、反応液に添加するDNAがプラスミド(環状DNA)で、その長さが6kbpの場合、実際のORFの長さに関係なく、(0.5~3)x6=3~18ng/μLとなります。 -
Q2:PCR反応液を直接添加する際の注意点
PCR 反応液からの持ち込みを抑えるため、添加量は、PUREfrex®の反応液量の1/10 以下にすることをおすすめします。
添加量の目安は、PCR で目的のDNA がきちんと増幅されていれば、DNA 量としては十分です。
転写・翻訳反応とも、PCR 反応液からの持ち込みによる塩濃度など、バックグランドの変化によって、活性が大きく影響されます。 -
Q3:PCRによる鋳型DNAの調製例
2段階PCRによるPUREfrex®の鋳型DNAの調製方法の例を図5に示しています。
PCR 後、目的産物以外にバンドが見られる場合は、PCR 条件を変更するなどして副産物の生成を抑えてください。どうしても、副産物が生じる場合は、目的産物を切り出し、精製してご使用ください。
副産物からもタンパク質が合成されることがあり、PCR で得られるバンドの純度がPUREfrex®で合成されるタンパク質の純度へも影響します。PCRによる鋳型DNAの調整例
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Q4:PCRで使用するプライマーの配列例
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Q5:PCR産物の純度について
タンパク質の合成反応にPCR 産物量が不足している場合は、PCR 反応液量を増やすことは避け、ゲルから切り出すなどして、十分な濃度のDNA 溶液を調製してください。PCR で目的のDNA が十分量増えない場合は、PCR 反応液内には、様々なDNA 種が存在しており、このようなPCR 反応液を直接使用すると目的のタンパク質合成量が減少してしまいます。
また、ゲルから切り出す際には、紫外線によるDNA への損傷を防ぐために、UVライトは照射しないでください。
ブルーライトは可能ですが、できるだけ照射時間は短くしてください。
UV照射はDNA への損傷の原因となり、翻訳が途中で止まってしまう等の現象が起きてしまいます。 -
Q6:鋳型DNAとして使用できるプラスミドベクターについて
プラスミドは、T7promoter、SD配列、T7terminaterを含むベクターをご使用ください。
例えば、pET系(Novagen社)、pQE系(Qiagen社)等がございます。
但し、lac operator配列が存在しておりますと、翻訳量が減少することがありますので、lac operator配列を含まないベクター(pET17など)をお薦めいたします。 -
Q7:プラスミドの調製についての注意点
プラスミドDNAを調製される際は、最終精製物にRNaseが残っていないかご注意頂く必要があります。
例えば、Qiagen社のQIAprep Spin Miniprep Kitや、Promega社のWizardのようなフィルタータイプのmini prep kitをご使用されますと、Lysis bufferに含まれるRNaseが、最終精製DNAにも混入してしまい、タンパク質の合成が阻害されてしまいます。
このタイプのキットをご使用の場合、精製したDNAを、Phenol/Chloroform処理後、エタノール沈殿して再度精製頂くことで、RNaseが除去されます。あるいは、RNase inhibitorを添加しても、合成できるようになります。
また、DNAを溶解する際に、TEなどを用いてしまいますと、EDTAが翻訳反応を阻害してしまいますのでご注意ください。
ご参考までに、Qiagen社のPlasmid Mini Kitは、Resinに結合したDNAを溶出した後にisopropanolで沈殿させているため、RNaseAが除去できており、このキットで精製したプラスミドが使用できることは弊社にて確認しております。
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Q8:転写開始と5’UTRについて
転写は、T7 promoter配列直後のGGGから開始するため、このGGGは必須となります。
T7 promoter配列直後のgggagaccacaacggtttcccはステムループが形成され、翻訳効率を高めると言われていますが、タンパク質により効果は異なります。
翻訳には、リボソーム結合部位が必須ですが、一般的に5’UTRの配列は、翻訳反応に影響を及ぼすといわれており、配列を変更する際は注意が必要となります。参考となる論文がございますので、以下ご参照ください。S. Takahashi et. al. (2013) J. Am. Chem. Soc., vol.135. p.13096 ” Translation Enhancer Improves the Ribosome Liberation from Translation Initiation”
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Q9:mRNAスタートの場合
mRNAからタンパク質を合成する場合、mRNAの添加濃度の目安は、0.1-0.5 µMになります。
ご使用になられるmRNAの配列や純度等により、最適値は異なってきますので、 はじめに、上記の濃度を参考に最適添加濃度を決める反応をされることをおすすめ致します。 -
Q10:鋳型DNA配列とタンパク質合成量について
タンパク質をコードする配列の5’末端側にサイレント変異を導入し、AT 含量が高くなるように鋳型DNAを設計すると合成量が高くなるという結果が得られています。タンパク質により効果は異なりますが、こちらの実験結果をご覧ください。
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Q11:複数鋳型混在下でのタンパク質合成について
異なるタンパク質をコードする複数の鋳型をひとつのチューブで合成することが可能です。
鋳型により、合成されるタンパク質の量が異なる場合には、添加する鋳型の量比を調整することで、タンパク質の合成量も調整可能である実験結果が得られています。Fabの軽鎖 (LC) と重鎖 (HC)を同時に合成した、こちらの実験結果をご覧ください。 -
Q1:PUREfrexでリボソームディスプレイ用のキットは販売していますか?または、販売の予定がありますか?
A1.リボソームディスプレイ用のキットは販売しておりません。今後も、販売の予定はありません。
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Q2:市販のPUREfrexキットを用いて、リボソームディスプレイを行うことは可能ですか?
A2.PUREfrexの基礎技術であるPURE systemを開発した、東京大学の上田卓也研究室が発表した論文をご紹介いたします。この論文では、市販のPUREferxと同様に、Release factor入りの反応液を用いているため、ストップコドンを抜いたライブラリを用いております。
J Biochem(2009)145(5):693-700 Osada
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19228777また、市販のPUREfrexキットを用いる場合でも、リボソームディスプレイによるセレクション方法につきましては、バッファーの組成など上記の論文を参照されることをおすすめいたします。
ただし、市販のPUREfrexキットは、タンパク質合成用に最適化しておりますため、キットをそのままご使用頂いてもリボソームディスプレイが想定通り動かない事もございますので、ご不明な点などはお問い合わせください。
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Q3:こちらが所有しているタンパク質/ペプチドライブラリ用に、PUREfrexの反応液を最適化することは可能ですか?
A3.はい、可能です。最適化の条件は、お持ちのライブラリや、ターゲットにも依存します。なお、リボソームディスプレイ用に最適化(カスタマイズ)した反応液のご使用には、その使用目的により制限や別途ライセンス契約が必要となることがございますので、ご検討の前に、まずは、ご相談ください。
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Q4:PUREfrexを用いて、リボソームディスプレイを実施した場合、ライセンスは必要ですか?
A4.市販のPUREfrexキットを用いてリボソームディスプレイを行った場合、ライセンスは必要ありません。しかし、専用にカスタマイズしたPUREfrex反応液を用いる場合は、目的によりライセンスが必要となりますので、事前にご相談ください。
よくある質問
FAQ