SS結合を有するタンパク質の合成

複数のジスルフィド結合を含むタンパク質、vtPA(truncated version of tissue plasminogen activator)と AppA(大腸菌酸性フォスファターゼ)を異なる濃度の大腸菌 DsbC存在下で合成させ、それぞれの酵素活性を比較しました。

それぞれのタンパク質合成は、PUREfrex®SS(# PF002)のプロトコール(詳細はこちらをご覧ください)に従って行いました。大腸菌 DsbCは、濃度を 0 ~ 750 μg/mL になるように反応液に添加し、vtPA、または AppA の鋳型DNAを加えて37℃で4時間合成しました。必要に応じて、大腸菌 DsbCはキットに添付の Dilution Buffer で希釈しました。

合成後、それぞれの発色基質を用いて合成タンパク質の酵素活性を測定しました。測定結果は、最大の活性を示したサンプルの活性を100とした相対値で示しました(図1)。

その結果、AppAは、大腸菌 DsbCを添加しなくても約50%の活性を示しました。一方、vtPAは、大腸菌 DsbCを反応液に添加しない場合、全く活性を示しませんでした。すなわち、大腸菌DsbCに対する依存度は、合成するタンパク質によって異なることを示しています。

大腸菌 DsbCの添加量(50 μL 反応液あたり)
23 μg/mL :16倍希釈した DsbC を2.5 μL
94 μg/mL :4倍希釈した DsbC を2.5 μL
375 μg/mL :DsbC を2.5 μL
750 μg/mL :DsbC を5 μL

※PUREfrexSSは、現在お取り扱い中止となっており、PUREfrex®1.0(# PF001-0.25)とDS supplement(#PF005-0.5)を合わせて使用した場合と同等品になります。

使用したタンパク質

  • vtPA(truncated version of tissue plasminogen activator)は、tPAのプロテアーゼドメインで、ジスルフィド結合が9ヶ所存在します。そのうち、8ヶ所は連続していないシステイン間でのジスルフィド結合です。
  • AppA(大腸菌酸性フォスファターゼ)は、ジスルフィド結合が5ヶ所存在します。そのうち、1ヶ所は連続していないシステイン間でのジスルフィド結合です。

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