PUREfrex®を用いたタンパク質の脂質修飾および膜への局在に関する論文が掲載されました

ジーンフロンティア社と東京科学大学および海洋研究開発機構(JAMSTEC)の共同研究による、PUREfrex®を用いたタンパク質の脂質修飾および膜への局在に関する論文がACS Synthetic Biology誌に掲載されました。

 

本稿では、PURE system (製品名: PUREfrex®)を用いて、新生タンパク質のミリストイル化およびパルミトイル化のための無細胞システムを開発しました。
翻訳後修飾は、タンパク質の適切な機能と局在に不可欠なプロセスです。特に、脂質修飾は脂質膜表面で機能するタンパク質の空間制御において重要な役割を果たします。無細胞タンパク質合成は迅速なタンパク質生産を可能にしますが、脂質化修飾における技術的進歩は遅れています。
これまでの研究に基づき、前駆体新生ペプチドをプロテアーゼによってトリミングすることで、脂質修飾されるグリシンをN末端に露出させ、ミリストイル化効率を向上させました。また、N-ミリストイルトランスフェラーゼ(NMT)がミリストイル化とパルミトイル化の両方を触媒することを発見しました。NMT認識部位の下流にポリアルギニン残基を挿入することで、脂質化タンパク質のリポソームへの局在がさらに促進されます。最後に、VHH抗体の脂質化とリポソームへの局在化により、がん細胞への標的特異的な結合が得られることを実証しました。
このシステムは、脂質膜上に可溶性タンパク質を提示するためのプラットフォームを提供し、標的細胞への結合を目的としたリポソームの開発への応用が期待されます。

 

Lipid Modification and Membrane Localization of Proteins in Cell-Free System

ACS Synthetic Biology (2025), in press.

論文のダウンロードはこちら: https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acssynbio.5c00155

 

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