製品について

PUREfrex^®は、PURE systemを基に開発された再構成型無細胞タンパク質合成キットです。
PURE systemは、東京大学大学院の上田卓也教授のグループにより開発された再構成型無細胞タンパク質合成系で、転写・翻訳・エネルギー再生に必要なタンパク質、リボソームを個別に精製した後、アミノ酸、NTPなどと混合した合成システムです。
PURE systemについて、詳しくはこちらをご覧ください。

キットに含まれる反応液に、目的のタンパク質をコードするDNAもしくはmRNAを添加し、37℃で数時間反応させることにより、チューブ内でタンパク質が合成されます。

PUREfrex^®は、個別に精製した因子を混合して反応液を調製するため、翻訳などに無関係なタンパク質をほとんど含まないことから、合成反応後の反応液を未精製のままアッセイすることができます。

ジーンフロンティアでは、お客様の研究目的に応じて、それぞれ特徴の異なる２種類のタンパク質合成反応液 PUREfrex^®1.0（#PF001-0.25）とPUREfrex^®2.0（#PF201-0.25）をご用意しております。

PUREfrex^® 1.0と2.0の違いにつきましては、こちらをご覧ください。

また、PUREfrex^® は、精製した因子を混合して反応液を調製するため、組成を自由に組み合わせることができます。お客様からのリクエストに応じて、各Solutionをカスタマイズしたオリジナルのキットも作製いたします。

さらに、ジスルフィド結合（SS結合；SS-bond または、ジスルフィド架橋；disulfide bridge）を含むタンパク質合成のための添加剤として DsbC Set（#PF005-0.5）とPDI Set（#PF006-0.5）を揃えております。また、高次構造を形成しにくく不溶化しやすいタンパク質の合成を補助するための分子シャペロンとして、DnaK Mix（#PF003-0.5）とGroE Mix（#PF004-0.5）もご用意いたしております。

これらの添加剤は、PUREfrex^®1.0（#PF001-0.25）やPUREfrex^®2.0（#PF201-0.25）、PUREfrex^® 2.1（#PF213-0.25）に添加してお使い頂けます。

特長

• 細胞の抽出液ではなく、精製した因子を再構成した反応液です。
• 特別な設備や遺伝子組み換えの技術が不要です。
• 鋳型DNAは、PCR反応液を直接添加してお使いいただけます。
• 操作は、簡単。１チューブで、37℃、数時間の反応で合成されます。
• 数µL～数10 mL規模のスケーラブルな合成反応が可能です。
• タグによる合成タンパク質の精製・検出が可能です。

PUREfrex^®は、反応液に含まれるタンパク質、リボソーム、tRNAの調製方法を改良し（表1）、従来品に比べて純度を高めた合成反応液です。例えば、混入していた大腸菌由来のリポ多糖は、反応液1 μLあたり10^-1EU程度にまで低減されています。また、RNase、βガラクトシダーゼなどの混入タンパク質も減少しています（図2）。

さらに、PUREfrex^®に含まれる翻訳因子などのすべてのタンパク質には、精製、検出用のタグ配列が付加されていません。そのため、あらゆるタグ配列を付加したタンパク質を合成し、タグにより精製することが可能です（図3）。

PUREfrex^®と従来のPURE system反応液に混入しているリポ多糖量、および混入しているRNase、βガラクトシダーゼ活性を測定し、従来の反応液を100とした値で示しています。PUREfrex^®では、いずれも顕著に減少していることが分かります。

PUREfrex^®1.0 を使用して、His-tag付加GFPを合成後、市販のNi磁気ビーズで合成されたGFPを精製しました。この結果から、合成されたHis-tag付加タンパク質が、ワンステップで精製できることが分かります。