PDI Set

2021年9月より、10 mL 反応液の規格を販売しております。
製品のお見積およびご注文に関するお問い合わせは、コスモ・バイオ(株)様までお願いいたします。

細胞外に分泌されるタンパク質など、タンパク質の種類によっては、正しい高次構造の形成や維持にジスルフィド結合 disulfide bond (SS結合 SS-bond またはジスルフィド架橋 disulfide bridge とも呼ばれる)が必要な場合があります。ジスルフィド結合は、近接する2つのシステイン側鎖のスルフヒドリル(SH-)基が酸化されて形成される結合のため、ジスルフィド結合形成にはSH基が酸化されうる環境が必要です。また、正しいシステイン間でのジスルフィド結合形成には、ジスルフィド結合異性化活性を有する酵素が必要な場合もあります。

PDI Set(#PF006-0.5)には、ジスルフィド結合形成が可能な環境にするための酸化剤として酸化型グルタチオン(GSSG)、ヒト由来のジスルフィド結合イソメラーゼ(PDI)、及び PDI の酸化酵素である Ero1α が含まれています。

PDI Set(#PF006-0.5)には、タンパク質合成試薬は含まれておりません。PUREfrex®2.1(#PF213-0.25)に添加して使用することで、正しいジスルフィド結合を持った、活性を有するタンパク質を合成することができます。

正しい高次構造ができず、不溶性となってしまうタンパク質を合成する場合には、DnaK Mix(#PF003-0.5)GroE Mix(#PF004-0.5)等の分子シャペロンを反応液にさらに添加して合成することをお奨めいたします。

製品番号 製品名称 容量 国内法規制 *1 希望販売価格 *2 製品添付文書 SDS
PF006-0.5 PDI Set 500 µL 反応用 非該当 10,000円 PDF PDF
PF006-10ML PDI Set 10 mL 反応用
(5x 2 mL) *3
非該当 160,000円 PDF

*1)化学物質排出把握管理促進法、労働安全衛生法、毒劇及び劇物取締法、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(通称「カルタヘナ法」)

*2) 記載の希望販売価格は、予告なく改定される場合があります。また、「希望販売価格」は参考価格であり、販売店様からの実際の販売価格ではございません。ご注文の際には販売店様へご確認ください。表示価格に消費税は含まれておりません。

*3) より少量での分注をご希望の場合は、チューブ1本あたり700円(税別)で承ります。

製品構成

500 µL 反応用

容量 内容 開封後保存温度*1
GSSG 25 μL 酸化型グルタチオン (60 mM) -20℃
PDI 25 μL ヒト由来 PDI (200 μM) -20℃もしくは-80℃ *2
Ero1α 25 μL Ero1α (5 μM) -20℃もしくは-80℃ *2
Dilution Buffer 500 μL 30%グリセロール溶液 -20℃

2 mL 反応用

容量 内容 開封後保存温度*1
GSSG 100 μL 酸化型グルタチオン (60 mM) -20℃
PDI 100 μL ヒト由来 PDI (200 μM) -20℃もしくは-80℃ *2
Ero1α 100 μL Ero1α (5 μM) -20℃もしくは-80℃ *2
Dilution Buffer 500 μL 30%グリセロール溶液 -20℃

*1) キット開封前は、-80℃で保存してください。

*2) 使用後の残りの反応液を-80℃で保存する場合は、液体窒素やドライアイス/エタノールなどで急速凍結してから保存してください。必要に応じて分注し、凍結融解の繰り返しをできるだけ避けてください。

使用方法

PDIとGSSGを使用する場合

PDI Set を添加したタンパク質合成は、任意の反応液量で行うことができます。例えば、PUREfrex®2.1(#PF213-0.25)を使用して、0.5 mM Cysteine、4 mM GSH、3 mM GSSG、10 μM PDI を添加して、20 μLで合成する場合は以下のように反応液を調製してください。

  1. Solution I、Cysteine、GSH、GSSG を室温~37℃ で 1 分間ほど温めて完全に融解し、氷上に置きます。
  2. Solution II、Solution III、PDI を氷上で融解します。
  3. 融解したSolution I、II、III、Cysteine、GSH、GSSG、PDI を軽くボルテックスした後、遠心して内容物をチューブ下部に集めます。
  4. GSSG を水で 3 倍に希釈します。
  5. 以下のように反応液を調製します。(DNAは、1 kbpあたり0.5-3 ng/μLになるように添加してください。)
    Water 5-X μL
    Solution I 注1 8 μL
    Cysteine 1 μL
    GSH 1 μL
    GSSG 注2 1 μL
    Solution II 1 μL
    Solution III 2 μL
    PDI 1 μL
    鋳型DNA 注3 X μL
    Total 20 μL
  6. 37℃のヒートブロック又はウォーターバスで 2~6 時間反応させて、タンパク質を合成します。注4
  7. 合成されたタンパク質を、それぞれの目的に使用します。

注意点

注1) PUREfrex® 1.0(#PF001)PUREfrex® 2.0(#PF201)とは使用量が異なりますので、ご注意ください。

注2) 使用する還元剤の種類や濃度、合成するタンパク質により、最適濃度が異なります。GSSG の添加濃度を検討する場合、1~3 mM で検討ください。

注3) 鋳型DNAは、目的のタンパク質に合わせてお客様の方でご用意ください。調製方法につきましては、「鋳型DNAについて」のページをご覧ください。

注4) 気相の恒温槽(培養用恒温器など)で反応すると、反応液の温度の上昇に時間がかかり、合成量が低くなります。

PDIとEro1αを使用する場合

PDI Set を添加したタンパク質合成は、任意の反応液量で行うことができます。例えば、PUREfrex®2.1(#PF213-0.25)を使用して、0.5 mM Cysteine、4 mM GSH、10 μM PDI 、0.25 μM Ero1α を添加して、20 μLで合成する場合は以下のように反応液を調製してください。

  1. Solution I、Cysteine、GSH を室温~37℃ で 1 分間ほど温めて完全に融解し、氷上に置きます。
  2. Solution II、Solution III、PDI 、Ero1α を氷上で融解します。
  3. 融解したSolution I、II、III、Cysteine、GSH、GSSG、PDI、Ero1α を軽くボルテックスした後、遠心して内容物をチューブ下部に集めます。
  4. 以下のように反応液を調製します。(DNAは、1 kbpあたり0.5-3 ng/μLになるように添加してください。)
    Water 5-X μL
    Solution I 注1 8 μL
    Cysteine 1 μL
    GSH 1 μL
    Solution II 1 μL
    Solution III 2 μL
    PDI 1 μL
    Ero1α 注2 1 μL
    鋳型DNA 注3 X μL
    Total 20 μL
  5. 37℃のヒートブロック又はウォーターバスで 2~6 時間反応させて、タンパク質を合成します。注4
  6. 合成されたタンパク質を、それぞれの目的に使用します。

注意点

注1) PUREfrex® 1.0(#PF001)PUREfrex® 2.0(#PF201)とは使用量が異なりますので、ご注意ください。

注2) 使用する還元剤の種類や濃度、合成するタンパク質により、最適濃度が異なります。Ero1α の添加濃度を検討する場合、0.125~0.5 µM で検討ください。

注3) 鋳型DNAは、目的のタンパク質に合わせてお客様の方でご用意ください。調製方法につきましては、「鋳型DNAについて」のページをご覧ください。

注4) 気相の恒温槽(培養用恒温器など)で反応すると、反応液の温度の上昇に時間がかかり、合成量が低くなります。

使用上の注意

PDI Set は研究用試薬です。ヒトを含む動物などへの投与、臨床、診断など他の用途への使用を禁じます。また、食品、家庭用には使用しないでください。
PDI Set を使用する際には、RNaseフリーの水、試薬、器具類を使用してください。また、手袋、マスクの着用をお勧めします。