PUREfrex®2.0
製品のお見積およびご注文に関するお問い合わせは、コスモ・バイオ(株)様までお願いいたします。
2022年12月より、PUREfrex® キットに含まれるSolution Iの原材料を変更いたしました。詳細につきましてはこちらをご覧ください。 【重要】Solution Iの原材料変更のお知らせ
2024年11月より、新たに「50 mL 反応用」の規格を提供させていただきます。詳細につきましてはこちらをご覧ください。新製品のお知らせ【大容量! 50 mL規格】
PUREfrex®2.0 は、PUREfrex®1.0 (#PF001) の反応液組成を改良し、PUREfrex® の特長(RNaseやLPSなどの混入量が低い)を維持したまま、合成効率を増大させております。タンパク質の機能評価など、より多くのタンパク質を必要とされる場合にお選びください。
本製品への改良はタンパク質の合成活性を上げることを目的としておりますので、研究内容によりましては、PUREfrex®1.0の方が結果が良い場合があります。PUREfrex® 1.0と2.0の比較はこちらをご覧ください。
PUREfrex®2.0 は、分子シャペロンを含んでおりません。そのため、合成するタンパク質によっては正しい高次構造が形成できず、不溶性となる場合もあります。このような場合には、分子シャペロンをタンパク質合成時に添加することにより解決できることがあります。本キットへの添加剤として、DnaK mix(#PF003)とGroE mix(#PF004)もご用意しております。
PUREfrex®2.0 は、還元剤としてGSHを含んでいるため、還元条件下でタンパク質の合成反応を行います。ジスルフィド結合(SS結合;SS-bond または、ジスルフィド架橋;disulfide bridge)の形成が必要なタンパク質を合成される場合は、DsbC Set(#PF005)または PDI Set(#PF006)を添加してお使い頂くことをお奨めいたします。
*1)化学物質排出把握管理促進法、労働安全衛生法、毒劇及び劇物取締法、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(通称「カルタヘナ法」)
*2) 記載の希望販売価格は、予告なく改定される場合があります。また、「希望販売価格」は参考価格であり、販売店様からの実際の販売価格ではございません。ご注文の際には販売店様へご確認ください。表示価格に消費税は含まれておりません。
*3) より少量での分注をご希望の場合は、チューブ1本あたり700円(税別)で承ります。
*4) 50 mL規格につきましては、2.0 mLより大きい容量での分注をご希望の場合、ご希望のサイズに応じて無償で承ります。
製品構成
PUREfrex®2.0の各Solutionに含まれる内容物の詳細については、非公開となっております。
250 µL 反応用
容量 | 内容 | 開封後保存温度 *1 | |
---|---|---|---|
Solution I | 125 μL | アミノ酸、NTP、tRNA、酵素の基質など | -20℃ |
Solution II | 12.5 μL | タンパク質 (30% グリセロール溶液) | -20℃もしくは-80℃ *2 |
Solution III | 25 μL | リボソーム (20 μM) | -80℃ *2 |
DHFR DNA *3 塩基配列 |
10 μL | 大腸菌 DHFR 遺伝子を含む PCR産物 (20 ng/μL) | -20℃ |
2 mL 反応用
容量 | 内容 | 開封後保存温度 *1 | |
---|---|---|---|
Solution I | 1000 μL | アミノ酸、NTP、tRNA、酵素の基質など | -20℃ |
Solution II | 100 μL | タンパク質 (30% グリセロール溶液) | -20℃もしくは-80℃ *2 |
Solution III | 200 μL | リボソーム (20 μM) | -80℃ *2 |
DHFR DNA *3 塩基配列 |
10 μL | 大腸菌 DHFR 遺伝子を含む PCR産物 (20 ng/μL) | -20℃ |
*1) キット開封前は、-80℃で保存してください。
*2) 使用後の残りの反応液を-80℃で保存する場合、液体窒素やドライアイス/エタノールなどで急速凍結してから保存してください。必要に応じて分注し、凍結融解の繰り返しをできるだけ避けてください。
*3) タンパク質合成の陽性コントロール用として使用する際は、20 μLの合成反応液に、1 μLを添加してください。
分注方法
PUREfrex®キットは、-80℃で保管している間に劣化していくことはほとんどありませんが、凍結融解を繰り返すと活性が低下していくことがあります。そのため、1回あたりの使用量が少ない場合は、お客様の方で試薬を分注して保存いただくことをお薦めしております。少量で分注される場合は、低吸着チューブをご使用頂くとより安心です。
[Solution I]
30~37℃で5分ほどインキュベートし、完全に透明になるまでしっかりと混合します。その後、氷上には置かずに分注作業を行い、-20℃以下で凍結してください。
[Solution II]
氷上で融解させ、しっかりと混合(少量の場合は泡立たない程度のボルテックスも可)した後に分注し、液体窒素(あるいはドライアイスとエタノールを混合した寒剤)を用いて急速凍結させた後に、-20℃以下で保存してください。
[Solution III]
室温で融解させ(溶けた状態で長時間放置しないでください)、しっかりと混合した後に分注し、液体窒素(あるいはドライアイスとエタノールを混合した寒剤)を用いて急速凍結させた後に、-80℃で保存してください。分注したSolution IIIを急速凍結せずに、そのまま-80℃の冷凍庫で凍らせてしまうと活性の低下につながります。
使用方法
PUREfrex®2.0 を用いたタンパク質合成は、任意の反応液量で行うことができます。例えば、20 μLで行う場合は以下のように反応液を調製してください。
- Solution Iを、室温~37℃で1分間ほど温めて完全に融解し、氷上に置きます。
- Solution IIとSolution IIIを氷上で融解します。
- 融解したSolution I、IIおよびIIIを軽くボルテックスした後、遠心して内容物をチューブ下部に集めます。
- 以下のように反応液を調製します。(DNAは、1kbpあたり0.5-3 ng/μLになるように添加してください。)
Water 7-X μL Solution I 10 μL Solution II 1 μL Solution III 2 μL 鋳型DNA 注1 X μL Total 20 μL - 37℃のヒートブロック又はウォーターバスで2~6時間反応させて、タンパク質を合成します。注2
- 合成されたタンパク質を、それぞれの目的に使用します。注3
注意点
注1) 鋳型DNAは、目的のタンパク質に合わせてお客様の方でご用意ください。調製方法につきましては、「鋳型DNAについて」のページをご覧ください。
注2) 気相の恒温槽(培養用恒温器など)で反応すると、反応液の温度の上昇に時間がかかり、合成量が低くなります。
注3) SDS-PAGEによる合成の確認は反応液を水で希釈してから泳動してください。詳細は、サポート情報の「PUREfrex反応液のSDS-PAGE」をご覧ください。
使用上の注意
PUREfrex®は研究用試薬です。ヒトを含む動物などへの投与、臨床、診断など他の用途への使用を禁じます。また、食品、家庭用には使用しないでください。
PUREfrex®を使用する際には、RNaseフリーの水、試薬、器具類を使用してください。また、手袋、マスクの着用をお勧めします。