PUREfrex®2.0 mini
製品のお見積およびご注文に関するお問い合わせは、コスモ・バイオ(株)様までお願いいたします。
また、2022年12月より、PUREfrex® キットに含まれるSolution Iの原材料を変更いたしました。詳細につきましてはこちらをご覧ください。 【重要】Solution Iの原材料変更のお知らせ
PUREfrex®2.0 mini は、はじめてPUREfrex® 製品を使う方におすすめのエントリーモデルです。キットには、すべてのタンパク質に共通の鋳型DNA作成用プライマーも付いています。
*1)化学物質排出把握管理促進法、労働安全衛生法、毒劇及び劇物取締法、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(通称「カルタヘナ法」)
*2) 記載の希望販売価格は、予告なく改定される場合があります。また、「希望販売価格」は参考価格であり、販売店様からの実際の販売価格ではございません。ご注文の際には販売店様へご確認ください。表示価格に消費税は含まれておりません。
実験ワークフロー
1.鋳型DNAの設計と調製
鋳型DNAの設計は、PUREfrex®でのタンパク質合成にとって、とても重要な工程になります。
鋳型DNAはお客様にご用意いただく必要がありますので、ポイントや注意点など、詳しくは、下記のページをご覧ください。
「鋳型DNAについて」
2.目的タンパク質の合成確認
タンパク質合成は、PUREfrex® 2.0 mini に含まれるSolution I、II、III を混合した反応液に、調製いただいた鋳型DNAを添加し、転写・翻訳反応を同時に行います。
PUREfrex®を用いて機能的なタンパク質を合成する一般的な手順は、はじめに、PUREfrex®での合成に適した鋳型DNAをお客様の方で作製し、目的のタンパク質が合成されるかどうかを確認することから始めます。合成されたタンパク質がSDS-PAGE上で確認できる量になるまで、鋳型DNAの塩基配列の検討を行います。
つぎに、合成が確認できた後に、可溶性や活性の有無を確認していきます。
PUREfrex® 2.0 miniには、下図のフローの「2-1.合成したタンパク質の確認」までを行うために必要な試薬が含まれています。
3.合成したタンパク質の可溶性・活性の評価
PUREfrex®2.0 mini は、分子シャペロンを含んでおりません。そのため、合成するタンパク質によっては正しい高次構造が形成できず、不溶性となる場合もあります。このような場合には、分子シャペロンをタンパク質合成時に添加することにより解決できることがあります。本キットへの添加剤として、DnaK mix(#PF003)とGroE mix(#PF004)もご用意しております。
PUREfrex®2.0 mini は、GSH(還元型グルタチオン)を含んでいるため、還元条件下でタンパク質の合成反応を行います。ジスルフィド結合(SS結合;SS-bond または、ジスルフィド架橋;disulfide bridge)の形成が必要なタンパク質を合成される場合は、タンパク質合成反応液として、PUREfrex®2.1(#PF213)を使用し、DsbC Set(#PF005)または PDI Set(#PF006)を添加してお使い頂くことをおすすめします。
製品構成
PUREfrex®2.0 mini の各Solutionに含まれる内容物の詳細については、非公開となっております。
容量 | 内容 | 開封後保存温度 *1 | |
---|---|---|---|
Solution I | 50 μL | アミノ酸、NTP、tRNA、酵素の基質など | -20℃ |
Solution II | 5 μL | タンパク質 (30% グリセロール溶液) | -20℃もしくは-80℃ *2 |
Solution III | 10 μL | リボソーム (20 μM) | -80℃ *2 |
DHFR DNA *3 塩基配列 |
10 μL | 大腸菌 DHFR 遺伝子を含む PCR産物 (20 ng/μL) | -20℃ |
T7PRO-SD primer *4 塩基配列 |
5 μL | 2段階PCR用プライマー (10 μM) | -20℃ |
RNase-Free Water | 500 μL | RNaseフリーの水 | -20℃ |
*1) キット開封前は、-80℃で保存してください。
*2) 使用後の残りの反応液を-80℃で保存する場合、液体窒素やドライアイス/エタノールなどで急速凍結してから保存してください。必要に応じて分注し、凍結融解の繰り返しをできるだけ避けてください。
*3) タンパク質合成の陽性コントロール用として使用する際は、20 μLの合成反応液に、1 μLを添加してください。
*4) 2段階PCRで鋳型DNAを作製する場合に、すべてのタンパク質共通で使用できるプライマーです。
鋳型DNAの設計・調製方法
鋳型DNAの設計は、PUREfrex®2.0 mini でのタンパク質合成にとって、とても重要な工程になります。下記ページにポイントをまとめましたので、こちらもご覧ください。お客様のアミノ酸配列から、鋳型作製のポイントを考慮し、最適と思われる遺伝子配列をお返しする「鋳型DNA設計のサポート」のご利用もこちらのページでご案内しています。
使用方法
PUREfrex®2.0 mini を用いたタンパク質合成は、任意の反応液量で行うことができます。例えば、10 μLで行う場合は以下のように反応液を調製してください。
- Solution Iを、室温~37℃で5分間ほど温めて完全に融解し、室温に置きます。
- Solution IIとSolution IIIを氷上で融解します。
- 融解したSolution I、IIおよびIIIを軽くボルテックスした後、遠心して内容物をチューブ下部に集めます。
- 以下のように反応液を調製します。(DNAは、1kbpあたり0.5-3 ng/μLになるように添加してください。)
RNase-Free Water 3.5-X μL Solution I 5 μL Solution II 0.5 μL Solution III 1 μL 鋳型DNA 注1 X μL Total 10 μL - 37℃のヒートブロック又はウォーターバスで4~6時間反応させて、タンパク質を合成します。注2
- 合成されたタンパク質を、それぞれの目的に使用します。注3
注意点
注1) 鋳型DNAは、目的のタンパク質に合わせてお客様の方でご用意ください。調製方法につきましては、「鋳型DNAについて」のページをご覧ください。
注2) 気相の恒温槽(培養用恒温器など)で反応すると、反応液の温度の上昇に時間がかかり、合成量が低くなります。
注3) SDS-PAGEによる合成の確認は反応液を水で希釈してから泳動してください。詳細は、サポート情報の「PUREfrex 反応液のSDS-PAGE」をご覧ください。
使用上の注意
PUREfrex®は研究用試薬です。ヒトを含む動物などへの投与、臨床、診断など他の用途への使用を禁じます。また、食品、家庭用には使用しないでください。
PUREfrex®を使用する際には、RNaseフリーの水、試薬、器具類を使用してください。また、手袋、マスクの着用をお勧めします。